第72回日本呼吸器学会・日本結核病学会九州支部春季学術講演会 会長 福岡大学筑紫病院呼吸器内科教授 永田忍彦 |
この度、第72回日本呼吸器学会・日本結核病学会九州支部春季学術講演会を福岡大学筑紫病院呼吸器内科でお世話させていただくことになり、大変光栄に存じております。当科は医師数7名の小さな教室ですが、過去の盛会に恥じぬよう有意義な学術講演会にするべく、鋭意準備を進めております。
当院のある筑紫野市俗名院は、万葉の時代の地名「続命院」に由来しています。続命院とは、九州各地から大宰府にやってくる人々のために設置された宿舎で、当時大宰府に所用で来る人の中には、病死したり餓死したりするものが多く、檜皮葺(ひはだふ)きの建物を7棟立てて、大宰府直属の医師や観世音寺の僧が彼らの世話にあたったと云われています。このように、続命院は「日本最古の赤十字病院」(古老)でありました。このような由緒ある土地で学会開催をとも思いましたが、学会に参加される皆様の便を考慮し、福岡市天神のアクロス福岡で開催させていただくことにいたしました。
学会は研究発表の場であると同時に会員に対する教育の場を提供するものであると思います。これまでの学会もそうでしたが、今回の学会では教育、特に若い呼吸器内科の医師に学会に参加して勉強になったと少しでも思ってもらえるようにという意図でプログラムを企画いたしました。具体的には特別講演として、感染症診療の分野で若い先生に人気のある神戸大学大学院医学研究科感染治療学分野教授の岩田健太郎先生に感染症専門医の立場からみた呼吸器感染症診療に関する御講演をお願いいたしました。また肺癌、COPD、間質性肺炎についての教育講演を九州大学大学院医学研究院臨床医学部門内科学講座呼吸器内科学分野教授の中西洋一先生、国立病院機構福岡病院病院長の岩永知秋先生、福岡大学医学部呼吸器内科教授の渡辺憲太朗先生にそれぞれお願いいたしました。それぞれの分野における第一人者の先生方であり、若い先生の知識の整理、アップデートに役立つ御講演をしていただけるものと思います。シンポジウムは最近話題になっている「気腫と線維化」について、病理、画像、臨床の立場からそれぞれ御専門の先生方(長崎大学大学院医歯薬総合研究科病態病理学教授 福岡順也先生、久留米大学医学部放射線医学教室准教授 藤本公則先生、天理よろず相談所病院呼吸器内科部長 田口善夫先生)に御講演をしていただく予定です。
学会は2014年6月28日(土)に開催させていただきますが、福岡市では7月はじめより山笠が始まります。学会開催当日も街中で山笠の準備が進んでおり、躍動する福岡の街の雰囲気を感じていただけるのではないでしょうか。会員の先生方にはどうぞ奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。