第81回日本結核病学会総会

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会長挨拶
平成18年4月27日(水曜)〜28日(木曜)の2日間、杜の都の仙台において開催される第81回日本結核病学会総への皆様のご参加をお待ち申し上げております。
「結核対策のブレイクスルーと集学的展開を求めて」
 今日、混迷の感のある結核病学の研究・臨床の隘路を打開するためにはヒトと感染症の歴史を紐解くことから解決することが出来るのではないでしょうか。また、その解決のためには、この領域の狭い世界にばかり閉じこもってはいられません。たとえば、近年、畜産の世界からヒトの世界の問題となってきた狂牛病や、高病原性鳥インフルエンザの人への感染の問題に見られるように、結核を含む感染症学に携わる私どもの研究と臨床は、他領域との相互協力なしには展開し得ない状況になってきました。もともとヒトの感染症は、狩猟・採集の移動生活をおくっていたヒトが、家畜として飼育し始めた動物と一緒に定住農耕社会を築くようになってから入ってきたものが主であり、ウシ型結核菌に見られるように本来は動物の持っていた感染症が多くを占めています。ヒトの間でのみ流行する感染症は、天然痘などごくわずかであり、逆にヒトから動物へ結核が感染するなどの事例が最近見られます。したがって、結核を含む多くの感染症においては、ヒトのみならず、動物・畜産領域との連携を図りながら対処する必要があります。また、ヒトの疾病の効果的な解決を求めて「療養所」や「病院」という閉鎖空間で治療を行なうようになったのは18世紀以降ですが、それに付随して大きな問題となった院内感染は、「病院」というシステムを私どもが放棄し得ない以上、当面の最重要な問題です。その克服のためには、「病院」に勤務するスタッフ全員が相協力して当たる必要がありますし、「病院」というシステムに代表される高次医療機関のみならず、医療の基盤であり入り口である第一線医療を担当する開業診療所等との連携も重要です。すなわち、結核を含む感染症学・化学療法学の分野は、外へは一般医家領域や動物・畜産学などとの連携、内にはコ・メディカル全般との相互協力なしには存在し得ませんし、今後の発展も望み得ないものと考えられます。このような背景の下、本学会は、結核対策のブレイクスルーと集学的展開を目指して稔りある場に出来れば、と考えており、是非とも皆様のご参加を願うものです。
  
学会は、平成18年4月27日と28日の2日間、仙台は青葉山の麓、広瀬川に臨む仙台国際センターで開催されます。前日の4月26日には各種委員会の開催も予定しておりますが、この時期の仙台は春爛漫のひときわ美しい季節です。東北の豊富な食材を工夫した「旨い」ものと、東北の数ある地酒を用意してお待ち申し上げております。勉強で疲れた頭を一時的に国分町で軟らかくするのも一興です。なお、政宗以来の開府400年で賑わう仙台と宮城県を(ここをクリックして下さい)で紹介申し上げます。クリックするとご覧いただけます。

それでは皆様、どうぞよろしく御願い申し上げます。
第81回日本結核病学会総会会長  渡辺  彰