日本結核・非結核性抗酸菌症学会 THE JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS AND NONTUBERCULOUS MYCOBACTERIOSIS
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Q&A 5: 学会のガイドラインにおける肺結核の標準治療についての質問


Q&A 5 2013年12月21日
質問:学会のガイドラインにおける肺結核の標準治療についての質問

私は、結核患者を治療していますが、副作用等の問題で、RFPやINHを通常投与量より減量することが多いです。
周囲の病院の医師でも、老人だと最初からかなり減量して治療しているのを見かけます。
減量した場合の治療期間をどうすべきかは明記してありませんが、減量無い場合と同じ期間でもよいのでしょうか?
また、RFPやINHを減量して治療している場合でも、RFPやINHの感受性に問題が無ければEBは中止でもよいのでしょうか?

基本的な質問で申し訳ないのですが、教えていただけませんでしょうか。
何卒、よろしくお願いいたします。

回答 2013年12月31日13:00
減量した場合に、菌陰性化しても再発しやすいかについての論文がありません。おそらく再発しやすいと思いますが、期間を延長したら再発しにくくなるのか、についても論文がありません。ということで、完全に専門家意見になりますが、後者については、延長しても多分耐性化の危険が増えるだけで再発しやすさは変わらないと思います。よって、治療期間を変える必要はなく、再発したら、耐性を調べ、感受性だったら、次は通常量で治療するということだと思います。

INHとRFPは肝代謝なので、高齢者の腎機能によって減量するのはあまり意味がないと思います。一方、肝障害を起こしている場合に、どのくらい減量しても治療に影響しないか、については、情報が全くありません。私は、腎機能低下(によるEB減量)および薬(RFP)の副作用の腎障害やアレルギーの場合で副作用発現のため通常量に戻せない場合は、薬を減量します。副作用時に戻せない場合の減量は、2/3程度までの減量にとどめ、そこまで戻せない場合は、他の薬に変えます。リファンピシンの副作用については、幸い、リファブチンが使えることが多いです。

治療委員会副委員長 吉山 崇(複十字病院)

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